2006年 12月 13日
骨は珊瑚、眼は真珠 |
モンバル・キャンソン紙、色鉛筆
botanical drawing、一回休み(仕事で忙しかった)。その代わり、といっては何だが、ふつうのドローイング。とてもとても、お見せするようなものではなくてこっぱずかしいけれど、素人の厚顔無恥ということで許してもらおう。
これは、もう10年ぐらい前に描いたのかな。ワタシは大学生の頃から内藤礼の世界にかなり傾倒していたので、ドローイングも「真似」して描いてみた(もちろん猿真似にすぎない)。
内藤さんのドローイング展を、銀座の「ギャラリー小柳」に見に行ったときはたまげた。薄暗がりのなかの壁に三枚、「白紙」がピンでとめてあるだけだった。しかしよく見ると、ごくごく薄い「円環」がぼんやりと見えてくる。『ナーメンロス・リヒト(無名の光)』と名づけられたその作品は、何度も何度も薄く色鉛筆を塗り重ねていったもの。それを知ったときは衝撃だった。
そのドローイングを、ワタシはすんでのところで買いそうになったが、やめた。そんなデリケートなものを飾る場所がないのだ。当時私はワンルームの部屋に住んでいたが、もし二部屋の家だったら、一部屋をその作品のためにあてたかもしれない。日本で絵が売れないのは住宅事情もあるかもしれない。そう考えると「床の間」という場所は、日常空間のなかの精神的なスペースとしてなかなか良いと思うのだけれど(我が家には床の間なし、ほしい)。
by stcl
| 2006-12-13 11:20
| photo essays