2007年 04月 25日
愛ちゃんの絵 |
画:忠田愛 "Marta" 網、陶土、和紙、墨、インク、木炭、ソフトパステル
おなじみ、愛ちゃんの絵を、しばらく前に買った。「絵を買う」という行為はなかなか微妙な行為だ。安価なものではないし、なくとも暮らしてはいける。何よりも狭い我が家での大問題は「飾る場所」。でも愛ちゃんのブログでこの絵を見たとき、ワタシはどうしても欲しくなった。愛ちゃんにお願いして、購入した。上の写真のような、ステキなパッケージで絵が届いた。
タイミングの問題もあった。まだ仕事は休んでいないときだったし、いずれ愛ちゃんが大家(たいか)になったら、ワタシには手が届かない値になるだろう。愛ちゃんの絵は大好きなので、買うなら今だ、とおもった。そしてはじめて実際の愛ちゃんの絵を見た。期待を裏切らない絵だった。サイズは小さいが、小ささを感じさせない。そして周囲の空気もこの絵の雰囲気に支配される。愛ちゃんはちゃんと力のある絵描きさんだ。
網で光が透過するので、逆光で。窓辺のいつもドゥローイングする椅子の上で撮ってみた。
いまの時代は「お気楽カフェアート」のような「作品」が主流だけれど、こうした絵画の本道のような作品をやはり無視してはいけない。アートの深さや怖さを踏まえて描かれた絵…。そうした絵が、物欲ではなく買い上げられなければならない。でなければ身のまわりのモノがすべて、単なる「商品」に堕してしまう。そういえば最近できた某美術館では「所蔵をしない」そうだが、絵を買わない美術館すらできてしまうご時世。絵描きさんにはつらい時代かもしれないが、愛ちゃん、負けずにがんばってね。
ワタシはこの絵を、「所有」しなくとも構わない。この絵にふさわしい場所があればそこに預けて、自分自身がそこに眺めに行く、というあり方もなかなかいいな、と思っている。今回は愛ちゃんの絵を一人でも多くのみなさんに見てほしくて、愛ちゃんに許可をいただいてアップしました。
by stcl
| 2007-04-25 15:14
| photo essays