2007年 04月 29日
[詩] 幸福を超えるのです |
この風が止んだら
ここへ来てください
できればあたたかな
雨の降る日に
昨夜、花粉にまみれて
みずはぐむ夢を見たのでしょう
踏まれた草は
そっと陽にかざしてください
狭い部屋です
あるのは壁だけ
石の上に花弁を置いて
溶けた鉄片を
飲んでください
(ちいさな
晩餐会を、するのですね
水蒸気が立ち昇る畑に
明日は
途方もない数の虫が
床には薄暗く
水が溜まるでしょう
骨と
鉛を
ひとつずつ
拾ってください
そしておおくの
(いのちを、うばってください
幸福を超えるのです
誰も知らないけれど
そう思う
秘密の方法で
by stcl
| 2007-04-29 10:30
| 詩/collaboration