2007年 12月 23日
[詩] スープ |
思い出すこと
冷たく砕け
その土地の名
物陰の冴光
鉄の音に軋む
片方だけの翼
祈る間もなく
立ち枯れた麦
そして
胸をよぎるのは
かつて盗み出した
濃く、あまい
天の食い扶持
焼けた畑
蔬菜の灰
雪が決まって
降りて来る晩
教会から
聞こえるのは
夢見た様な寝首が呟く
恩寵に似たきらめきの言葉
明日はもう
明日ですらない
もう眠るまいと
寝台から身を引き剥がし
うすい灯りを吹き消せば
朝の庭に
かがやかしく風は吹き荒れ
小鳥は群なして北へ飛び去る
錆び付いた喇叭よ響け
俺は不毛の土地に
旗を立てる
今
スープの皿に
陽が差し込む
みたび、ズッパ・ディ・ペッシェ。カサゴ・イシモチ・ウマヅラハギ・スズキ・アサリで。おいしかった!
by stcl
| 2007-12-23 06:47
| 詩/collaboration